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先輩上司に教わったこと4

「私が先輩上司に教わったこと No.4」


現在、うちでは10人前後のスタッフさんに働いてもらっています。

給料はというと、時給1,000円プラス成果報酬もしくは時給1200円くらい

一日6時間稼動で一人あたり、トップ営業マンで2万2000円、平均の人で1万3000円。

まあまあ稼げる額です(業務内容はNTT他通信商材の販売です)。

うちの会社はスタッフを大事にしない限り、お客さんも大事にしてくれないとの

理念のもと顧客第一主義ではなく、スタッフ第一主義を理念として掲げ、

スタッフさんに快適な職場環境を提供し、稼いでもらい、その結果会社も

儲かるという仕組みを入れていました。
(補足すると顧客を大事にしないということではなく、スタッフを第一に
 考えることが、顧客第一につながると思っているからです。)


(前回までのあらすじ)

突然、取引先の担当者から入った一本の電話


「すいません。いったん取引を中止させくてださい。

 それから、これまでお支払いしていた契約の代金なのですが、

 半額にさせてください。。」


あまりのことに言葉を失いました。

どういういきさつでそうなったのかは割愛しますが、

とにかく、この事態は有無を言わせず受け入れる他選択肢がない

状況でした。

当然、それではスタッフさんが営業で成約した報酬も半額にしないと

うちは赤字です。

悩みに悩みました。

「。。。。。。

 俺の分はいいから、まずスタッフに払ってあげて」


取締役の前田さんの一言で私の腹は決まりました。

(第1回に登場した取締役の小林さんは病気で倒れ、入院してしまいました。
 その話はまた今度)


私は前田さんと相談し、まずスタッフさんが稼動した分についてはこれまでの

条件で支払うことにしました。

理由はそういう契約だからということ

及び今後も良いつきあいをしたいから。

それではうちに利益は残りませんが、それが筋だろうということでそう決定しました。
(幸い赤字とはいっても、今月私達の給料を0にすれば、とんとんで落ち着くためです)

そして、今後については扱う商材及び報酬額を変えて、今後も働いてくれるなら、

働いてもらう。もし条件が合わないようなら、より条件が良い企業へ派遣として働いて

(うちはうちよりも時給がいい企業への派遣業もやっているんです)

もらうという形で、筋を通そうということで結論を出しました。


しかし、そうは言ったものの、二人の間には重苦しい空気が流れていました。

スタッフの給与についてもそうだし、

何より、今後の戦略についても練り直しを迫られていました。

もちろん資本金には一切手をつけていないので、資金的に行き詰まるという

話ではないのですが、二人ともショックでものを考えられる状態ではなかったのです。


谷田君は気配を察したのか、そっと帰っていきました。


二人はしばらく無言のまま椅子に座っていました。


時計の音がやけに大きく聞こえる。。


そのとき、ドアが開きました。


谷田君でした。


彼は紙包みを抱えていました。


「あの。。焼き芋売ってたんで。。食べてください。

 失礼します。」


私達に焼き芋を渡すと彼は帰っていきました。

「よし。お茶入れるか。。」

前田さんがお茶を入れてくれ、二人で谷田君の買ってくれた

焼き芋を食べました。


「ちょっと冷えてるね。。」


前田さん

「今日。。寒いから。

 でも。。あったけぇ。。


「。。。」


前田さん


「心が。。

 あったけぇ。。」



「。。。。。」

潤んだ目を悟られないように、ずっと窓の外の景色を

眺めていました。


外は雪が止み、雲の隙間から少しだけ光が

さし込んでいました。