先輩上司に教わったこと3
「私が先輩上司に教わったこと 3」
(前回までのあらすじ)
できない営業マンの谷田君は4日連続ぼうず。
5日目、16:50分まで成約なし。
「今日もだめか。。」
そう思った矢先、携帯の着信が鳴り響き、
「谷田君(隣の小僧)」
の文字がディスプレイに刻まれた。
私
「もしもし!とれたのか!?」
谷田君
「いえ、でもお客さんに質問されて、これってどうなります?」
私
「それは○○○で、○○○だよ。」
谷田君
「分かりました。」
私
「よし。決めて来い!」
谷田君
「はい!!」
ついにあの小僧が初成約できるかもしれない。
そう思うと、時間が流れるのが遅く遅く感じるのでした。
10分経過
30分経過
50分経過
谷田君からの連絡は無い。
こっちから電話しようとしたとき、谷田君から再び電話が。
私
「もしもしどうだった!?」
谷田君
「だめでした。。」
私
「。。。。
そうか。分かった。今日はあがろう。駅まで戻ってきてくれ。」
これで谷田君は5日連続ぼうず
谷田君にはやはり無理なのか。。
辞めさせたほうがお互いのためかもしれない。
何度も何度も考え尽くしたテーマが堂々巡りとなって、
何度も頭の中を駆け巡ります。
「しかし、小僧の奴。。遅いなあ。。
そりゃ。。。顔。。合わせずらいよな。。。」
そう思ったとき、谷田君が戻ってきました。
私
「遅かったな。。」
谷田君
「。。。。」
私
「とりあえず。。今日はあがろう。。」
谷田君
「とれました」
私
「え?」
谷田君
「契約。。あの後とれました。」
私
「まじで?み、見せてみろ!」
谷田君から契約書を奪い取って確認する私
間違いなく、彼はハンコをもらっていました。
「やった〜!!!!!!!!!」
「やったじゃね〜か!おめ〜!!!!!」
谷田君を手荒くボコボコにして歓迎の意を表す私。
「ちょっと辞めてくださいよぉ」
「うるせ〜な。ドMのくせによ。」
「Mじゃないっすよ。刺激を愛してるんです!」
通行人が怪訝そうにしていましたが、どうでもいいことでした。
周りの空気が暖かく温かく私たちを包んでいました。
彼は満面の笑みを顔中にたたえていました。
そうか。。これか。。俺はこの顔を見るために頑張ってたんだな。。
良かった。本当に。。
「それ記念にコピーとっとけよ。初勝利のウィニングボールだべ?」
「はい。宝物に。。し、します。ありがとう。。。ございまし。。た」
(1ヵ月後)
私
「小僧、今日成約何件よ?」
谷田君
「12件です。」
私
「まじで?今日は目標まで8件足らずか。たるんどるぞ。きみぃ。」
谷田君
「いや〜今日はお客さん、渋かったっすよ。」
私
「言い訳すんな。のび太のくせに生意気だぞ?」
谷田君
「じゃあ、川島さんは何件なんすか?」
私
「え?
。。。。。。
に、2件。。です。。。」
谷田君
「え?何件です?」
私
「(くっ。。殺してぇ。。)
きょ。。今日は色々忙しかったんすよ。。」
彼は1ヵ月後うちの会社のトップ営業マンになりました。
先輩。。俺。ちょっとは、恩返しできましたかね。。
会社は順調。売上も倍々ゲーム
そんなとき、一本の電話が取引先の担当者から入りました。
「すいません。。その。。取引をいったん。。中止させてください。」
「え!!?」
隣にいた谷田君が、びくっとするのがはっきりと見て取れるくらい
の大声。
外は季節はずれの大雪。。
少しづつ、雪の粒が大きく、そして激しく、事務所を包んでいきました。